Cardiology internal medicine

研究紹介

心不全・肺高血圧グループ

  • 2019.03.28 |

1) 心不全患者における血清neprilysin値の検討

心保護作用を持つナトリウム利尿ペプチドの分解を防ぐneprilysin(NEP)阻害薬が心不全の予後を劇的に改善することが2014年に報告されました。しかしながらこれまで心不全患者において①血中NEP濃度に影響を与える因子 ②血中NEP濃度と予後との相関 ③経時的なNEP濃度の推移 ④心臓から放出されるNEPと血行動態の関係については十分には明らかにされていません。私たちのグループは慢性および急性心不全症例において血清NEP濃度と関連する臨床的特徴、予後に与える影響および血清NEP濃度上昇と血行動態の関係を検討しています。本研究により得られた結果から心不全患者における血清NEP 濃度測定の意義を明らかにし、将来NEP阻害薬が使用可能となった際に、NEP阻害薬のレスポンダーを選択する指標となりうることか、さらに検討したいと考えています。

2) 心アミロイドーシスの効率的な診断法の確立および予後評価について

心アミロイドーシスはアミロイド蛋白が心臓に沈着することによって生じる心筋症であり、心不全や伝導障害、突然死に関わる疾患です。近年、高齢の心機能が保たれた心不全患者に心アミロイドーシスが隠れている可能性が指摘されています。またトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する治療薬であるタファミジスの承認によりその早期診断の重要性が強調されています。しかしながら心アミロイドーシスの診断は心電図や心エコー検査のみでは診断が難しく、心臓MRI検査や核医学検査といった画像診断や、心筋から病理学的にアミロイド蛋白の沈着を証明、およびアミロイド蛋白の種類を同定する必要があります。

我々は今まで100名を超える野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断および加療の経験を有し(図1)、心筋トロポニンTなどの心筋障害マーカーや画像診断、心臓以外の組織生検を組み合わせた心アミロイドーシスの診断法(図2)を提唱しています。我々は以下のようなプロジェクトを進行中です。

  1. a) 熊本における心アミロイドーシスの実態調査
  2. b) 簡便な心アミロイドーシス病理診断の検討
  3. c) 野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断および予後解析
  4. d) 手根管症候群の手術既往例における心アミロイドーシスの早期発見の検討
  5. e) 心アミロイドーシスにおける心筋病理と画像診断の対比

 

(図1)

 

(図2)

 

 

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