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九山直人先生らのミネラルコルチコイド受容体拮抗薬に関する基礎研究がJ Am Heart Assoc誌に掲載されました

九山直人特任助教、荒木智特任准教授、中西信博先生(現水俣市立総合医療センター)、海北幸一教授(現宮崎大学)らは、現在高血圧症治療薬として使用されているミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬であるエサキセレノンが果たす抗炎症作用の分子機序に関する基礎研究をJ Am Heart Assoc誌に報告しました。本研究では、新世代のMR拮抗薬であるエサキセレノンが心筋梗塞モデルマウスにおける心機能低下、線維化、炎症を有意に抑制し、In vitroでの検討では炎症に重要な役割を果たす転写因子であるp65とSTAT3がMR蛋白と蛋白間相互作用を示し、MR-p65-STAT3複合体を形成すること、またそれらの相互作用が炎症性サイトカインであるIL-6転写活性を正に制御し、それがエサキセレノン投与にて有意に抑制されることを明らかにしました。

すなわちMRはMR-p65-STAT3複合体を形成することで炎症を惹起し、MR拮抗薬はMR-p65-STAT3複合体の転写活性を抑制することで抗炎症作用、心保護作用を発揮する可能性を示唆した貴重な報告になります。

ぜひご一読ください。

 

Mineralocorticoid Receptor Blocker Prevents Mineralocorticoid Receptor-Mediated Inflammation by Modulating Transcriptional Activity of Mineralocorticoid Receptor-p65-Signal Transducer and Activator of Transcription 3 Complex
J Am Heart Assoc 2024;Sep 9:e030941.

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