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水田博之先生らの論文がCirculation Reports誌に掲載されました
- 2025.12.2 | お知らせ
このたび水田博之先生(徳洲会伊仙クリニック)と石井正将講師(医療情報経営企画部)、辻田賢一教授らの研究チームは、超高齢社会の離島における医師の経験年数と心不全予後との関連を調査し、”Association Between Physician Experience, Readmission for Heart Failure, and Risk of Mortality in a Super-Aged Society”としてCirculation Reports誌に報告しました。
高齢化に伴い心不全患者が急増する中、特に医療資源が限られたへき地や離島における医療提供体制の課題が懸念されています。これまで、担当医の臨床経験年数が心不全患者の予後に与える影響については、特に超高齢社会の地域コホートにおいては十分に明らかにされていませんでした。
本研究では、日本の将来の人口構成に近い「超高齢社会モデル」とされる徳之島のデータを用いて調査を行いました。解析の結果、退院後90日以内の心不全再入院がその後の全死亡リスクの上昇と有意に関連していることが示されました。一方で、担当医の経験年数(5年以下、>5-10年、10年以上)によって、心不全の再入院率や院内死亡率に有意な差は認められませんでした。
本研究は、若手医師であっても適切な管理を行えば熟練医と比較して遜色のない治療成績が得られる可能性を示唆しており、限られた医療資源で高齢者医療を支えるへき地医療において重要な知見と考えます。また経験年数に関わらず、予後改善のためには退院後早期の再入院予防に向けた密な管理が重要であると考えられます。
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