Research Activity

研究紹介

虚血性心疾患・末梢動脈疾患グループ

  • 2021.06.1 |

虚血グループ(責任者:辻田賢一、山永健之、藤末昂一郎;虚血性心疾患・末梢動脈疾患)

わたくしどものグループは、虚血性心疾患、末梢動脈疾患の臨床転帰を改善することを目的に、様々な角度から研究を行っており、臨床に即した現場からの疑問点を基礎的な研究を含めて解明しています。

 

1.急性心筋梗塞患者に対するステント留置前のバルーン拡張時間の影響についての観察研究を行っております。ステント治療前の長時間バルーン拡張により末梢塞栓の減少やステント内プラークや血栓の突出の減少が報告されています。そこで我々は県内外の施設と協力して急性心筋梗塞患者のステント留置前のバルーン拡張時間によるイベント発生率の有無について観察する研究を行っております(辻田、山永、石井、山本)。

 

2.医工連携では、冠動脈疾患に頻用されるステントに焦点をあて、 複雑病変ステント留置後変形ストラットのマイクロX線CTによる撮像と、流体力学からみた再狭窄メカニズム、またマイクロX線CTによるマウス下肢血管可視化と3次元的定量化をX-Earth Centerの大谷順教授、椋木俊文准教授と共同で行っております。さらに、熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)の河村能人教授との共同研究では、通常マグネシウムより耐腐食性が高く、高強度のKUMADAIマグネシウム合金を素材にしたストラットの厚さ70μmの生体吸収性ステントの開発を行っております。当科で可能な三次元培養系による細胞適合性・安全性試験、マウスでの生体適合性・安全性試験、ブタ冠動脈への植込み試験技術を駆使してKUMADAIマグネシウム合金による新しい医療機器の開発を目指しています(有馬)。

熊本大学先進マグネシウム国際研究センターの動画(クリックするとyoutubeへ移動します)

 

3.末梢動脈疾患分野における臨床疫学研究では、熊本大学関連施設と協力し血管内治療の技術交流と予後改善を目的としたKumamoto EVT registry研究を行なっています(藤末)。

 

4.虚血性心疾患、末梢動脈疾患に対する日常診療においては、高度専門的治療に焦点をあて、関連病院からの複雑病変症例に対し、適切な薬物治療を含めて至適内科的治療を行った上で、さらに必要であれば、ロータブレータ、エキシマレーザ血管形成術を用いて、慢性完全閉塞病変(CTO)、左主幹部病変(諸々の事情により開胸術困難)に対するカテーテル治療を行っています。非常に難易度の高い症例に関してはCTOエキスパートなど日本有数の術者を招いてCTO治療を行っております。

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