Cardiology internal medicine

研究紹介

虚血性心疾患・末梢動脈疾患グループ

  • 2019.03.28 |

虚血グループ(責任者:辻田賢一、坂本憲治;虚血性心疾患・末梢動脈疾患)

わたくしどものグループは、虚血性心疾患、末梢動脈疾患の臨床転帰を改善することを目的に、様々な角度から研究を行っており、臨床に即した現場からの疑問点を基礎的な研究を含めて解明しています。

 

1.遺伝要因と環境要因からみた急性冠症候群(ACS)の発症機序の解明では、臨床・基礎の両側面に焦点をあて、 薬物代謝酵素、アルデヒド脱水素酵素2、主要なサイトカイン等の変異遺伝子因子と様々な環境因子(CagA蛋白産生ピロリ菌感染、喫煙等)の両側面からACSの発症、進展、再発、予後を検討、解析しています。熊本大学薬学部さまとの医薬連携、熊本機能病院さまとの共同研究を進めており、遺伝・環境要因からみた個別化医療、さらには、ハイリスクサブグループ層別化によるPrecision Medicine実現可能性を解析し、すでに多くの論文を発表しています(末田助教、山下院生)。

 

2.腫瘍心臓病学Onco-cardiology では、大学病院の特異性に焦点をあて、 動脈硬化と悪性疾患合併症例を対象に研究しています。最近は、Onco-Cardiologyあるいは、Cardio-Oncologyという領域が注目されており、慢性炎症を基盤とした癌と心臓病の合併背景、薬剤性心毒性の遺伝因子、環境因子の特性、化学療法、放射線療法などの治療開始前の潜在的心血管有害事象早期発見のための画像、バイオマーカーの確立、循環器系合併症併発症例のケアなど、今後の課題が山積しており、論文も発表しています(末田助教)。

 

3.医工連携では、冠動脈疾患に頻用されるステントに焦点をあて、 複雑病変ステント留置後変形ストラットのマイクロX線CTによる撮像と、流体力学からみた再狭窄メカニズム、またマイクロX線CTによるマウス下肢血管可視化と3次元的定量化をX-Earth Centerの大谷順教授、椋木俊文准教授と共同で行っております(有馬助教)。 さらに、熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)の河村能人教授との共同研究では、通常マグネシウムより耐腐食性が高く、高強度のKUMADAIマグネシウム合金を素材にしたストラットの厚さ70μmの生体吸収性ステントの開発を行っております。当科で可能な三次元培養系による細胞適合性・安全性試験、マウスでの生体適合性・安全性試験、ブタ冠動脈への植込み試験技術を駆使してKUMADAIマグネシウム合金による新しい医療機器の開発を目指しています(有馬助教)。

熊本大学先進マグネシウム国際研究センターの動画(クリックするとyoutubeへ移動します)

 

4.末梢動脈疾患では、重症下肢虚血(CLI)に焦点をあて、 膝下の小血管に対するエキシマレーザ血管形成術の応用について研究しており、また機械的拡張術への限界の思いから、骨髄細胞移植による血管新生療法を今年度から応用を開始する予定です。

 

5.臨床疫学研究では、全例登録に焦点をあて、 下記の研究により新しい医療ニーズの開発を行っています。

①経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の技術交流と予後改善を目的として大学関連施設との熊本インターベンションカンファレンス研究(KICS)(山下院生)。

②熊本県透析施設協議会との共同で県内透析患者の心血管イベントリスク軽減を目指した全例登録前向き調査研究(末田助教)。

③平成27年熊本地震による県内基幹病院と共同でエコノミークラス症候群、急性脳・心血管疾患に対する予防・啓発活動による震災後脳・心血管疾患リスク軽減の研究(坂本講師、KEEPプロジェクトメンバー)。

 

6.虚血性心疾患、末梢動脈疾患に対する日常診療においては、高度専門的治療に焦点をあて、 心血管治療先端医療寄附講座(中村淳客員教授)との連携で、関連病院からの複雑病変症例に対し、適切な薬物治療を含めて至適内科的治療を行った上で、さらに必要であれば、ロータブレータ、エキシマレーザ血管形成術を用いて、慢性完全閉塞病変(CTO)、左主幹部病変(諸々の事情により開胸術困難)に対するカテーテル治療を行っています。

Copyright © 熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学 All Rights Reserved.