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PEMA-TAS研究の成果がオンラインで公開されました

当科の関連施設(福岡徳洲会病院、熊本中央病院、済生会熊本病院、熊本赤十字病院、宮崎県立延岡病院、宮崎大学医学部附属病院、熊本大学病院)による多施設共同ランダム化比較試験「PEMA-TAS試験」の論文が、日本動脈硬化学会の学会誌Journal of Atherosclerosis and Thrombosisにオンライン掲載されました。

本研究は、高中性脂肪血症を有する冠動脈疾患患者において、選択的PPARαモジュレーターであるペマフィブラートが凝固因子および血栓形成能に与える影響を検討した試験になります。

ペマフィブラートは中性脂肪の低下作用に優れていますが、大規模臨床試験であるPROMINENT試験において心血管イベント抑制効果が示されませんでした。

一方で、静脈血栓症のリスク増加が報告されており、その詳細なメカニズムは不明でありました。本研究では、ペマフィブラートの投与により血栓リスクマーカーであるフィブリノゲン値が対照群に比して有意に低下することを確認しましたが、その一方で、全血流下での総合的な血栓形成能(T-TAS)の亢進も認められました 。

本研究により、ペマフィブラートは抗血栓的な作用を持つ一方で、血栓形成能の亢進という相反する作用も併せ持つことが明らかになりました。

この知見は、PROMINENT試験で認められた静脈血栓症増加のメカニズムを説明する一助となる可能性があり、脂質異常症治療における薬剤選択やリスク管理において極めて重要な示唆を与えるものです。

 

論文:The Effects of Pemafibrate on Fibrinogen and Thrombogenicity in Patients with Coronary Artery Disease
著者:Masanobu Ishii, Koichiro Fujisue, Koichi Kaikita, Kenshi Yamanaga, Shinsuke Hanatani, Yasushi Matsuzawa, Mitsutoshi Miura, Takashi Kudo, Hideki Shimomura, Masafumi Takae, Yuichiro Shirahama, Nobuyasu Yamamoto, Teruhiko Ito, Ryusuke Tsunoda, Eiji Horio, Tomohiro Sakamoto, Taku Rokutanda, Kenji Morihisa, Katsuo Noda, Hiroki Tanaka, Yunosuke Matsuura, Eiichiro Yamamoto, Yasuhiro Izumiya, Kenichi Tsujita, on behalf of PEMA-TAS Investigators

 

論文のリンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat/advpub/0/advpub_65984/_article/-char/ja

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